今回は岐阜県養老町にある「養老天命反転地」に実際に足を運んできました!
養老天命反転地は、観光スポットとしてはまだまだ知られておらず、岐阜の中でもかなりの穴場といえる存在です。
アートと体験が融合した不思議なテーマパークとして話題のこのスポット。
写真で見ているだけではわからなかったリアルな感覚や、迷い込んだような非日常体験、そしてアクセス方法などを詳しくレポートしていきます。
記事内で紹介している訪問の様子は YouTube でも公開中です。
パーク内のリアルな雰囲気を動画でチェックできます。記事の一番下に動画を記載しています!
岐阜の穴場観光地「養老天命反転地」ってどんな場所?
養老天命反転地は、現代美術家・荒川修作さんと詩人・マドリン・ギンズさんによって設計された、体験型のアート施設です。
この施設のテーマは、ずばり「死なないために五感を目覚めさせる」
日常の当たり前を覆すような空間に身を置くことで、普段使っていない感覚をフル稼働させながら生きることの意味を体感できる、そんな哲学的コンセプトが根底にあります。

地面が斜めだったり、壁が歪んでいたり、通路が急に途切れていたり、すべてが意図的に不安定に設計されており、まさに「身体で考える」ような不思議な感覚になります。
ただ見るだけの美術館ではなく、自分の足で歩き・バランスを取り・感じることそのものがアートになっている場所です。
岐阜観光といえば自然や城下町を思い浮かべる方が多いと思いますが、ここではまったく異なる頭と体で混乱を楽しむ観光体験ができます。
岐阜の穴場観光スポットで味わえる!展示の見どころを徹底紹介
養老天命反転地の展示は、いわゆる見るだけのアートとはまったく異なります。
ここでは、地面・壁・建物などすべてが不規則に設計されており、水平垂直になったところがありません。
日常の感覚が通用しない空間の中を、自分の体を使って体験していきます。
極限で似るものの家

外観は、巨大な岩の塊に無理やり空間をねじ込んだような、荒々しく無骨な構造。
建物の屋根には日本地図が描かれ、地形と建築が一体化しています。

この建物は、実際に家としての設備(トイレ・風呂・台所など)が内部に備えられているのですが、すべてが傾いていたり、入り組んだレイアウトになっていたりして「生活空間なのに、まったく落ち着かない」という逆説的な体験ができます。
壁と天井の区別がつかないだけでなく天井に見えるベッドという感覚のズレも。
似ているけど違うという極限状態がどこまでも押し寄せてきて、まさに「認識が反転する」感覚を味わうことができます。
楕円形のフィールド

この楕円形のスペースは、まるで何もないように見えて、実は養老天命反転地全体の中心をなす重要な場所になっています。
見渡す限りゆるやかに傾いた赤土のような地形が続き、周囲には森や建築群が取り囲むように配置されており、まるで巨大な舞台のような雰囲気。
ここに立つとどこに向かって歩けばいいのと一瞬わからなくなります。
視覚的な地平線のズレと、わずかに傾いた足元が意識に混乱を起こし、まっすぐ歩いているつもりでも体がぐらついてしまいます。
養老天命反転地記念館

養老天命反転地記念館では、設計者・荒川修作とマドリン・ギンズの思想やコンセプトが展示されており、プロジェクトが生まれた背景や哲学的な意図をより深く理解できます。
鮮やかな色使いの空間や迷路状の回廊を歩くうちに、まるで思考の迷路をたどるような感覚になり、自分の中の常識や固定観念が揺さぶられるのを感じました。
こうした体験型の展示が充実しているのも、岐阜の観光の中でもこの場所ならではの個性です。
岐阜の穴場観光を計画するなら事前チェック!
養老天命反転地に行く前に押さえておきたい基本情報とアクセス方法をご紹介します。
所在地・料金・営業時間
- 住所:岐阜県養老郡養老町高林1298-2(養老公園内)
- 営業時間:9:00〜17:00(最終入場 16:30)
- 休園日:月曜日(祝日の場合は翌日)
- 入場料:一般850円/高校生550円/小中学生350円
- 電話番号:0584-32-0501
- 公式サイト:養老天命反転地 公式サイト
※訪問前には、念のため公式サイトで最新の営業時間や料金を確認するのがおすすめです。
アクセス方法
最寄り駅は、養老鉄道「養老駅」。駅から徒歩約10分ほどで到着します。道中には案内板もあり、迷うことはありませんが、坂道が多いので歩きやすい靴で行くのがおすすめです。
名古屋方面から訪れる場合は、近鉄やJR、名鉄から養老鉄道に乗り継ぎが必要ですが、1〜2時間ほどで到着できます。
車でのアクセスも便利で、養老公園内の管理駐車場は無料です。土日は混雑することがあるので、早めの到着が安心です。
観光プランとしては「1時間半〜2時間」が平均滞在時間。
周辺には「養老の滝」や「養老ランド」もあり、岐阜観光の1日プランにもぴったりです。
岐阜の観光地でここまで体験型な穴場は初めてでした
実際に歩いてみると、ただの「変わった施設」ではありません。
足元が傾いていたり、壁と床の境目がわからなかったりして、まるで自分の重力感覚がおかしくなったような、不思議な観光体験でした。

ふと気づくと、何度も同じ場所を通っていたり、まったく別の場所に出ていたりして、「どこを歩いているのか本当にわからない」という体験を何度もしました。
でもその「わからなさ」すら楽しくて、「今、自分はアートの中に入り込んでるんだなぁ」と実感しました。
今回はひとりで訪れたのですが、それでもまったく退屈することはありませんでした。むしろ、自分のペースで自由に歩き回れるので、じっくりと建物や地形に向き合うことができました。

迷いながら歩いているうちに、自然と五感が研ぎ澄まされていくのがわかり、身体を使って空間を読むという、普段の生活ではなかなか味わえない感覚になりました。
他の岐阜の観光スポットでは味わえない、五感を使う体験にワクワクしっぱなしでした。
また、予想以上に歩く距離も長く、身体も頭も使う体験だったので、見終わったあとは心地よい疲労感があり、普段あまり使わない感覚をフル稼働させることで、心も体もリフレッシュされたような気がします。
ちなみに、自販機は敷地内にあまり見当たらなかったので、特に暑い季節に訪れる方はあらかじめ水分補給用のお水や飲み物を持参するのがおすすめです。
岐阜で穴場観光を探しているあなたへ
この「観光なのに迷子になる」ような感覚は、一度体験すると忘れられません。
特におすすめしたいのはこんな人
- 普通の観光地に飽きた人
- 岐阜県内で人が少ない穴場スポットを探している人
- B級スポットが好きな方
- 写真好き、アート好き、建築好き
- SNS映えする写真を撮ってシェアしたいひと
頭で理解するというより、体で感じる不思議な空間。
ただ歩くだけでも、感覚がゆさぶられ、普段の生活から離れた非日常が待っています。特別な体験を求めている方には、まさにぴったりの場所です。
岐阜の穴場観光「養老天命反転地」は体験こそが一番の魅力
養老天命反転地は、写真や文章だけでは伝えきれない「体で味わう観光スポット」です。
岐阜の中でも特にユニークで、そして本当に穴場な場所。
観光地らしからぬ仕掛け、静けさ、そして混乱。
これらがすべて計算されたアートとして成立しているのは、ここだけかもしれません。
次の岐阜観光で「ちょっと変わった場所に行きたい」と思ったら、ぜひこの五感体験スポット「養老天命反転地」を選んでみてください。
普通じゃ物足りないあなたにこそ、強くおすすめしたい場所です。
「2023年8月23日訪問」
訪問の様子は YouTube でも公開中です。
展示会のリアルな雰囲気を動画でチェックできます。